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注意:自然環境・気象・野生動物の状況は地域差と個体差が大きく、本記事の内容はあらゆる状況での安全を保証するものではありません。入山前に必ず該当自治体・管理団体の最新情報を確認してください。
荷物を減らすのは大変ですが、置き場所を変えるのはその日のうちにできます。しかも効果が出ます。
同じ重さでも、体から離れた位置にあるほど、後ろに引かれる感じが強くなります。 詰め方の話は、この一点をどう扱うかに尽きます。
この記事でわかること
- 重い物をどこに置くか
- 場所によって置き方が逆になる理由
- 三層に分ける詰め方
- スタッフサックとパックカバーの使い分け
- 背負ったあとの調整

重い物は、背中側の肩の高さ
ドイターが公開しているパッキングの解説は、いちばん重い荷物は体に近く、理想的には肩の高さに置くべきだとしています。
理由は単純で、荷物の重心が体の重心に近いほど、後ろに引かれる力が小さくなるからです。逆に、重い物を底に入れると、腰から下にぶら下がる形になります。
同じ解説は、置く場所を大きく3つに分けています。
| 位置 | 入れるもの |
|---|---|
| 底 | シュラフ、ダウンの衣類など軽くてかさばるもの |
| 中央の背中側 | テント、食料、厚い保温着など重いもの |
| 中央の外側 | 中くらいの重さの衣類など |
| 雨蓋 | すぐ出したい小物 |
底に軽いものを入れるのは、クッションの役目もあります。ザックを置いたときに当たる場所なので、壊れるものを底に入れない、という意味でも理にかなっています。
ただし、岩場では逆になる
面白いのは、この解説が例外も挙げていることです。難しい地形を歩くときは、重い物を低い位置に入れたほうが安定するとしています。
高い位置に重さがあると、上半身を動かしたときに振られます。バランスを取りながら登る場面では、これが効いてきます。歩く場所によって正解が入れ替わる、ということです。
- 樹林帯の登山道を長く歩く日は、重い物を肩の高さに
- 岩稜や鎖場が続く日は、少し下げて振られにくく
ヘルメットを持っていくような日は後者、と考えると分かりやすくなります。登山用ヘルメットはどこで被るのかに、被る場面をまとめました。
重さの上限という考え方
同じ解説は、背負える重さについて、自分の体重の20から25%が上限だとしています。
体重60kgなら12から15kgです。テント泊装備がここを超えるなら、詰め方の工夫より先に、中身を減らす話になります。数え方はベースウェイトの数え方にまとめました。

スタッフサックで分ける
ドイターは、袋で小分けにすることを勧めています。ただし、詰め込みすぎないこと、という条件が付いています。パンパンにした袋は角が立って、ザックの中で隙間を作ります。
サックを使うと、パッキングが「積む作業」から「並べる作業」に変わります。順番も固定できるので、暗い時間の出発でも迷いません。
20リットルは、着替えやシュラフをまとめる大きさです。軽い生地のものを選ぶと、袋そのものの重さが気になりません。
小物には、小さいサイズを分けて使います。
充電器、ヘッドランプの予備電池、救急用品といった「めったに出さないが、無いと困るもの」をまとめておく係にすると機能します。
地図は別扱いです。行動中に何度も出すものなので、濡れと折れに強い入れ物に入れて、すぐ届く場所に置きます。
紙の地図を携行する理由は登山地図アプリは紙と併用するにまとめました。
濡れ対策は二段構え
雨対策には、外から包む方法と、中で守る方法があります。ドイターは、防水のドライバッグを使えば外側のレインカバーの代わりになる、と書いています。
実際には、両方を使う人が多いです。
カバーは本体の濡れと汚れを減らせますが、背中側は覆えません。 強い雨ではショルダーハーネスを伝って水が入ります。だから中でも守る、という二段構えになります。
シュラフと替えの衣類は、濡れると行動そのものが変わります。ここだけは防水の袋に入れておきます。
口を巻いて留める型です。中の空気を抜いてから巻くと、そのぶん小さくなります。

詰めたあとの調整
詰め方が良くても、背負い方が合っていないと台無しになります。モンベルの中型バックパックのフィッティング方法は、手順を細かく公開しています。
要点を並べます。
- ヒップベルトは、腰骨の左右の出っ張りをランバーパッドの中央部で包み込むように固定する
- ショルダーストラップを引いて、ショルダーハーネスが体に密着するようにする
- ショルダースタビライザーのバックルは、肩のいちばん高い所より前側にくるように調整する
- チェストサポートは、鎖骨から5cmぐらい下で留める
順番も大事です。先に腰で受けてから、肩を寄せる。 逆にすると、肩に重さが残ります。
まとめ
- 重い物は体に近く、肩の高さに置く
- 底には軽くてかさばるものを入れる
- 岩場や難しい地形では、重い物を下げたほうが安定する
- 背負う重さの上限は、体重の20から25%が目安
- スタッフサックで並べる。詰め込みすぎない
- カバーは背中側を覆えないので、中でも守る
- 腰で受けてから肩を寄せる。順番を守る
- 試すのは、遠征の前に近所の山で
容量そのものの決め方は登山用ザックの容量の決め方にまとめました。