登山用ヘルメットはどこで被るのか。警察庁が着用を求めている場面

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注意:自然環境・気象・野生動物の状況は地域差と個体差が大きく、本記事の内容はあらゆる状況での安全を保証するものではありません。入山前に必ず該当自治体・管理団体の最新情報を確認してください。

ヘルメットは「岩登りをする人の装備」と思われがちですが、公的な資料はもっと広い場面を挙げています。

この記事でわかること

  • 警察庁がヘルメットをどう位置づけているか
  • 遭難の態様に占める滑落・転落・落石の割合
  • 登山用ヘルメットで確かめること
  • 被っていても防げないこと

警察庁は「必ず着用する」と書いている

同資料の防止対策に、こうあります。

また、滑落・転落するおそれがある場所を通過するときは、滑落・転落や上方からの落石に備え、必ずヘルメットを着用する。

装備の列挙にも入っています。

登山予定の山の気候に合った服装や登山靴、ヘルメット、雨具(レインウェア)、ツェルト(簡易テント)、地図(登山地図アプリを含む。)、コンパス、行動食等登山に必要な装備品

登山靴やレインウェアと並んで書かれています。 特殊な装備という扱いではありません。

想定されているのは2つ

引用文をよく読むと、備える対象が2つ挙がっています。

  1. 滑落・転落したときに頭を守る
  2. 上方からの落石

このうち落石は、自分が慎重に歩いていても避けられません。 上にいる人が落とすこともあれば、自然に落ちることもあります。技術で回避できない部分がここです。

ガレ場を見下ろした足元

数字で見る

令和7年の遭難者3,623人の態様別内訳です。

態様 人数 構成比
道迷い 1,119 30.9%
転倒 694 19.2%
滑落 626 17.3%
疲労 356 9.8%
病気 294 8.1%
転落 79 2.2%
落石 19 0.5%

滑落17.3%と転落2.2%を合わせると約2割です。落石そのものは0.5%(19人)と少なく見えますが、これは「落石が原因で遭難として扱われた件数」です。

いつ被るのか

警察庁の書き方は「滑落・転落するおそれがある場所を通過するとき」です。場所で判断するということになります。

現実的には、次のような場面が該当します。

  • 鎖場、はしご、岩稜帯
  • ガレ場、ザレ場。上に人がいれば落石の可能性がある
  • 沢沿いの急斜面
  • 雪渓の通過
  • 落石注意の標識がある区間

標識のある場所は、管理者が過去の事例を踏まえて出しています。そこは実際に落ちてきた場所だと考えるほうが安全です。

鎖場を登るハイカー

登山用として確かめること

自転車用やスキー用のヘルメットは、想定している衝撃の向きが違います。登山用として売られているものを選ぶのが前提です。そのうえで、確かめる点があります。

規格の表示。登山・クライミング用のヘルメットには、対応する規格が記載されています。製品ページやタグで確認できます。

重量。長時間被るので、数十グラムの差が首に出ます。

調節機構。帽子やバラクラバの上から被る場面があります。ダイヤル式は行動中でも直せます。

あご紐の固定。ずれた状態では、落ちてきたものが当たる位置がずれます。

通気。夏の樹林帯では熱がこもります。

ヘッドランプの固定。クリップやバンドを掛ける構造があるか。ヘッドランプと併用する前提なら、ここは実用的な差になります。

実際の選択肢

外殻がしっかりした型は、岩や落石を受け止める作りです。扱いが雑になりがちな人や、ザックの外に付けて歩くことが多い人に向きます。

軽さと通気を優先した型もあります。長時間かぶる夏の樹林帯を歩くという前提なら、こちらを選ぶ理由があります。

頭のサイズが小さめの人向けに、別サイズ展開のモデルがあります。合わないヘルメットはずれるので、ここは妥協しないほうが確実です。

重量と対応規格は商品ページで確認してください。同じシリーズでもサイズによって変わります。

ザックに付けるか、被るか

ヘルメットをザックの外に付けて歩き、岩場の手前で被るという運用が一般的です。ただし落石は岩場の手前でも起きます。

判断の目安は、上を見上げて岩やガレが見えるかどうかです。見えるなら、その下は落石の通り道です。

ザックに付けたヘルメット

まとめ

  • 警察庁は「必ずヘルメットを着用する」と明記している
  • 想定されているのは滑落・転落時の保護上方からの落石
  • 装備の列挙でも登山靴・レインウェアと並んで挙げられている
  • 令和7年の遭難で滑落17.3%、転落2.2%
  • 被る場面は鎖場・岩稜・ガレ場・雪渓・落石注意の標識がある区間
  • 落石は技術では避けられない
  • 確かめるのは規格・重量・調節機構・あご紐・通気・ヘッドランプの固定

同じ「持っていく装備」として登山靴のカットザックの容量もまとめています。

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