ベースウェイトの数え方。何を含めて、何を含めないのか

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注意:自然環境・気象・野生動物の状況は地域差と個体差が大きく、本記事の内容はあらゆる状況での安全を保証するものではありません。入山前に必ず該当自治体・管理団体の最新情報を確認してください。

軽量化の話には、必ず「ベースウェイト」という言葉が出てきます。ただ、何を数えて何を数えないのかは、あまり説明されません。

先に定義を書きます。ベースウェイトは、ザック本体と中身の総重量から、食料・水・燃料を引いた重さです。着て歩く服や靴は、最初からザックの重量に含めません。ザックを量った数値から服の重さをさらに引くと、二重に差し引くことになります。REIの定義も、ザックと中身から消耗品を除く数え方です。

この記事でわかること

  • ベースウェイトが何を数えて、何を数えないのか
  • なぜ総重量ではなくベースウェイトで測るのか
  • 実際に量る手順
  • 軽くする順番
  • 軽さだけを追うと何を失うか

なぜ総重量で測らないのか

消耗品は日数で変わるからです。

同じ装備で日帰りに行くのと2泊するのでは、食料と水のぶんだけ総重量が違います。総重量で比べると「2泊のほうが重い」という当たり前の結論しか出ません。それでは装備の良し悪しを比べられません。

食料・水・燃料を除くと、残るのは「毎回持っていくもの」です。ここが自分の装備の実力になります。だからベースウェイトで測ります。

数えるもの、数えないもの

数える ザック本体、レインウェア、防寒着、ツェルト、寝袋、マット、調理器具(本体)、ヘッドランプ、救急セット、地図、コンパス、モバイルバッテリー
数えない 食料、水、燃料(ガス缶の中身)
数えない 着て歩くシャツ、パンツ、靴下、登山靴、帽子、ザックに入れないポールや時計

判断に迷うのは境目です。目安は2つです。

1. 山行中に減るか。 減るなら消耗品なので数えません。ガス缶の中身は消耗品ですが、空の缶は山行中も残ります。この記事では空容器を装備に含め、燃料だけを消耗品に分けます。他の人と比較するときも、この区分をそろえてください。

2. 出発時に身につけているか。 着ているものは数えません。ただし「歩き出しは着て、暑くなったら脱いでザックに入れる」ものは、ザックに入る前提で数えておくほうが安全側になります。

数え方そのものより、毎回同じ数え方をすることのほうが大事です。前回より軽くなったかを見るための数字だからです。

実際に量る

キッチンスケールが1つあれば足ります。手順はこれだけです。

  1. 装備を1つずつ量る
  2. 品名と重さを記録する
  3. 山行ごとに、持っていくものを選んで合計する

カタログの数値をそのまま使わないでください。 実測とずれます。

装備の計量には、表示の細かさに加えて最大計量を確認します。小物を細かく量れる機種でも、荷物を詰めたザック全体は上限を超えることがあります。

ヘッドランプは電池の有無で30g以上変わりますし、ザックは付属の雨蓋やストラップを外していれば軽くなります。スタッフバッグや予備の紐も、積み上げると無視できません。

そのスタッフバッグ自体にも重さがあります。中身を守るぶんの重さを払っているので、何を入れるかで要否が変わります。

濡らしたくないもの(着替えや寝袋)は、防水性のあるものにまとめると、袋の数を減らせます。

一度量ってしまえば、次からは選ぶだけです。紙や表計算でも管理できます。山行ごとの装備選択をまとめたい場合には、OnTrailsのアプリも使えます。

UL Packer アプリのアイコン

OnTrails のアプリ

UL Packer

ギアの重量を1つずつ登録し、山行ごとに選ぶだけでベースウェイトを計算するアプリ。ウルトラライトの核心はベースウェイトを最小限に抑えることにあります。

アプリの詳しい説明を見る

スケールで装備を量る

軽くする順番

やみくもに削っても軽くなりません。重い順に見るのが原則です。

テント泊では、ザック・寝袋・テント・マットなどの大きな装備から重量を確認します。買い替えで減らせる量は現在の装備によるため、まず実測した一覧で重いものを確かめます。

ザックは、容量を落とすより先に中身を減らします。順番を逆にすると、入りきらない荷物を外付けすることになり、重心が外に出て歩きにくくなります。詳しくは登山用ザックの容量の決め方に書きました。

ツェルトの用途は製品で異なります。ファイントラックのツエルト2ロングは簡易テントとしての使用も想定しています。ただし、一般的なテントと同じ居住性や耐候性があるとは限りません。軽さだけで置き換えず、設営条件やメーカーの注意事項を確認してください。詳しくはツェルトの用途と制約にまとめています。

背面の作りが違う2つのザック

削ってはいけないもの

ここが本題です。

モンベルの登山装備ガイド 基本編は、日帰りでもヘッドランプ・救急セット・エマージェンシーシートは必ず携行し、地図とコンパスは必須としています。レインウェアについては「晴れていても上下セットで必ず持参」と書かれています。

これらは、ベースウェイトの計算からは外せません。軽くするために外すものではなく、外せないものを前提に他を軽くするという順序です。

ベースウェイトを競うと、この一線を越えたくなります。数字は下がりますが、下がった分は安全側から借りているだけです。

ヘッドランプ、エマージェンシーシート、コンパス

まとめ

  • ベースウェイトはザック本体と中身の総重量から食料・水・燃料を引いた重さ
  • 消耗品を除くのは、日数で変わる分を除いて装備そのものを比べるため
  • 数え方より毎回同じ数え方をすることが大事
  • カタログ値ではなく実測する。電池や付属品でずれる
  • 削るならザック・寝袋・テント。重い順に見る
  • ヘッドランプ・救急セット・エマージェンシーシート・地図・コンパス・レインウェアは削らない
  • 軽さは耐久性と引き換え。ザックは耐荷重を見る

装備の選び方は登山用ザックの容量の決め方登山用レインウェアの選び方にまとめました。

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