富士山の入山規制と入山料4,000円。山小屋一覧・トイレ代・2026年の手続きをルート別に

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注意:自然環境・気象・野生動物の状況は地域差と個体差が大きく、本記事の内容はあらゆる状況での安全を保証するものではありません。入山前に必ず該当自治体・管理団体の最新情報を確認してください。

この記事は2026年の開山期間に適用された制度の記録です。 2026年の開山期間は終了し、公式サイトは冬季閉山中と案内しています。次年度の料金・日程・手続きは、発表後に確認してください。

富士登山では、ルートごとに料金と入山手続きを確認します。通行予約と山小屋の宿泊予約は別の手続きです。

先に共通の3点を書きます。

  • 通行料・入山料 4,000円(4ルート共通)
  • 午後2時から翌午前3時は入山できない(山小屋宿泊者を除く)
  • 入山手続きは県ごとに異なる。吉田ルートの通行予約は任意で、静岡県側は現地でも手続きできる

この記事でわかること

  • 4ルート共通のルール
  • 山梨県側(吉田ルート)と静岡県側の手続きの違い
  • 弾丸登山が止められている理由
  • ルート別の山小屋一覧と、山小屋泊で持っていくもの
  • 装備の確認があることとトイレの使用料
  • 自力で下山できないときの連絡先
  • この記事で扱えない範囲

4ルート共通のルール

富士山には富士宮・御殿場・須走・吉田の4つの登山道があります。富士登山オフィシャルサイトによれば、全ルート共通で次の3つが定められています。

入山規制時間は午後2時から翌午前3時。 山小屋宿泊者を除き、この時間帯は入山できません。ゲートが閉鎖されている間も、下山はいつでも可能です。

利用者負担(通行料・入山料)は4,000円。 「入場料」と呼ばれることもありますが、公式サイトと各県のページが使っているのは入山料・通行料という語で、入場料という名称の制度はありません。これは山小屋に泊まる人も支払います。

入山登録が要る。 ただし山小屋の予約とは別物です。ここは間違えやすいところで、山小屋を予約したから手続きが済んだ、とはなりません。

開山期間も登山口で違います。2026年は吉田口・須走口が7月1日から、富士宮口・御殿場口と山頂のお鉢めぐりが7月10日からです。

登山口のゲートと詰所のイメージ。実際の富士山の施設を撮影したものではありません

山梨県側(吉田ルート)

吉田ルートの最新情報によれば、五合目登山道入口のゲートで次の規制が行われます。

  • 午後2時から翌午前3時までゲートを閉鎖
  • 1日あたりの登山者が4,000人に達した場合もゲートを閉鎖

ここが山梨県側の特徴です。人数に上限があります。 4,000人に達すると、事前予約のない人はゲートを通れません(山小屋宿泊者を除く)。

通行予約そのものは任意ですが、予約には通行料4,000円の事前決済が必要です。注意したいのは次の点です。

  • 予約しても、当日14時までに五合目ゲートを通過しなければ規制の対象になる
  • 決済日の翌々日からキャンセル料がかかる
  • 自己都合(交通機関の遅延を含む)によるキャンセルは返金されない

「混みそうだから予約しておく」ではなく、行くと決めてから予約するものだと考えたほうが安全です。

静岡県側(富士宮・御殿場・須走)

静岡県側は条例による入山手続きで、3つが必要です。

  1. 事前学習(eラーニング)の修了 — 保全と安全登山のルール・マナーについて
  2. 午後2時から翌午前3時の入山は山小屋の宿泊が必要
  3. 入山料の納付(1人1回4,000円)

1日あたりの登山者数の上限は設定されていません。 ここが山梨県側との大きな違いです。人数で締められることはない代わりに、事前学習という手順が増えます。

県のアプリで手続きすると、入山証(QRコード)を取得できます。入山証は各登山口で提示します。スマートフォンを持たない場合などは、現地で学習・書類作成・納付を行う方法もあります。公式案内では約30分かかるとされ、混雑時には待ち時間も生じます。

夜明け前の霜の付いた岩

弾丸登山が止められている理由

山梨県側の予約画面には、同意する誓約事項が並んでいます。その4番目がこれです。

  • 山小屋に宿泊しないで夜通しの登山はしない(弾丸登山をしない)

午後2時からの入山規制は、実質的にこれを止めるための仕組みです。夕方から登り始めてご来光に合わせるという歩き方が、そもそも成立しなくなっています。

理由は気象条件にあります。オフィシャルサイトは、標高差100mごとに約−0.6℃、さらに風速1mごとに体感温度が約−1.0℃下がると書いています。そして山頂は夏でも日の出前に気温0度近くまで下がる。ご来光を待つ時間が長くなるほど、低体温症の危険が高まります。

睡眠を取らずに標高3,776mまで上げる行程で、その時間を待つことになります。

砂礫の下山道

山小屋に泊まるなら。ルート別の山小屋一覧

午後2時以降に入山するなら、山小屋に泊まることが前提になります。山小屋は事前予約が必要で、営業は登山道の開通期間だけです。予約と支払いの方法は小屋ごとに違うため、各小屋の公式サイトで確認します。

富士登山オフィシャルサイトには、ルートごとの山小屋一覧があります。

ルート 山小屋の数 一覧(公式) 特徴
吉田ルート 17軒(富士スバルライン五合目の2軒を含む) 吉田ルートの山小屋 富士登山道で最も山小屋が多い。七合目に7軒が集まる
富士宮ルート 8軒(山頂の頂上富士館を含む) 富士宮ルートの山小屋 六合目から山頂まで、ほぼ1合ごとにある
須走ルート 12軒(山頂の2軒を含む) 須走ルートの山小屋 八合目から上は吉田ルートと合流し、小屋も共用
御殿場ルート 5軒 御殿場ルートの山小屋 山小屋が少ない。七合九勺の赤岩八合館より上は山頂の小屋になる

軒数は2026年10月時点の各一覧ページの掲載数です。どの小屋がどの合目にあるかと、各小屋の公式サイトへのリンクは、一覧ページにまとまっています。ルートごとの距離と所要時間は各登山口と登山ルートについてで比べられます。

一覧ページは、どのルートの山小屋にも共通する注意として次のことを挙げています。

  • 到着が遅れると泊まれないことがある。チェックイン時刻に余裕を持って着く
  • 基本は男女相部屋。短い休憩のための、最低限の設備の宿泊施設
  • 風呂・洗面設備はない。山の上は水が乏しいため。飲み水は購入できる
  • ゴミ箱はない。ゴミはすべて持ち帰る
  • 食事は簡単な夕食と朝食。アレルギーや宗教上の制限には対応できないことがあるので、事前に小屋へ相談するか食べ物を持参する
  • トイレの使い方は小屋ごとに違う。掲示を読んでから使う

山小屋泊で持っていくもの

公式の装備リスト(後の「装備の確認がある」で紹介)に加えて、上の注意から逆算すると、山小屋に泊まる日に役立つのは次のものです。相部屋で眠るための道具と、風呂がない・ゴミ箱がないことへの備えです。

持ち物 山小屋で役立つ場面 主な仕様(商品ページの記載) 価格を見る
耳栓(MOLDEX メテオ) 男女相部屋で、いびきや早朝出発の物音を遮る 遮音値33dB、コードなし 楽天Amazon
立体型アイマスク 消灯前後やご来光組のヘッドランプの光を遮る 遮光率99.99%、目元に当たりにくい立体型 楽天Amazon
インナーシュラフ(Naturehike) 小屋の寝具と肌の間に1枚はさむ 約128g、丸洗い可 楽天Amazon
超大判ウェットタオル 風呂も洗面所もない夜に、汗を拭く 60×30cm、個包装 楽天Amazon
防臭袋(BOS) ゴミ箱がないので、食べ物の袋や使ったシートを持ち帰る Sサイズ、90枚 楽天Amazon

耳栓。 山小屋は相部屋で、ご来光に合わせて夜中に出発する人もいます。モルデックスのメテオは遮音値33dBの使い捨て耳栓で、コードのないタイプです。

アイマスク。 消灯後も、出発の支度をする人のヘッドランプで部屋が明るくなることがあります。目元に当たりにくい立体型なら、横になったまま着けていられます。

インナーシュラフ。 小屋の寝具はそのまま使えますが、肌に触れる1枚を自分で持っていくと気持ちよく眠れます。Naturehikeのインナーシュラフは約128gで、丸洗いできます。

ウェットタオル。 一覧ページのとおり、山小屋には風呂も洗面設備もありません。60×30cmの大判なら背中まで拭けます。個包装なので、使う分だけ出せます。

防臭袋。 山小屋にゴミ箱はなく、ゴミは全部持ち帰ります。食べ物の袋や使ったシートは、においの漏れにくい袋に入れてザックに戻します。

装備の確認がある

誓約事項には、防寒着・セパレートタイプの雨具・登山に適した靴を用意することが含まれています。そして入山時に装備を確認することがありますと明記されています。

公式サイトが1泊2日の装備として挙げているのは次のものです。容量や水量は例示なので、行程や補給状況に合わせて調整します。

  • 登山靴(ハイカット/硬めソール)
  • 雨具(上下セパレートタイプ)
  • 冬用衣類(フリース・ダウン・手袋・ネックウォーマー)
  • ヘッドランプと予備電池
  • バックパック(30L程度)
  • 飲水1〜2Lと高カロリーの行動食
  • ゴミ袋、現金(山小屋とトイレで使う小銭を多めに)、タオル、帽子、サングラス、日焼け止め
  • 登山地図、トレッキングポール、ファーストエイドキット、登山計画書

山小屋とトイレで使う小銭は、トイレの使用料を目安に用意します。富士山のトイレはチップ制で、富士登山オフィシャルサイトのFAQは1回100円から300円程度としています。山小屋によっては通常1回200円、山頂のトイレは300円と具体額を示しているところもあります。100円玉を多めに持っておくと、山頂付近で困りません。

推奨としてヘルメット、ダストマスクとゴーグル、モバイルバッテリーなどが挙げられています。ヘルメットが挙がっているのは落石と噴火のリスクを考慮してのことです。どこで被るのかは登山用ヘルメットはどこで被るのかにまとめました。

装備の選び方は登山靴のカットで何が変わるのかと登山用レインウェアの選び方にまとめました。

準備する装備の例

ペツルのアクティックコアは、最大625ルーメンの充電式ヘッドランプです。付属の充電池のほか、単4形電池3本でも点灯するので、公式リストの「予備電池」を乾電池で持っていけます。照射時間は最大の明るさが続く時間と混同しないようにします。

防寒着や着替えは、雨や汗で濡れないよう袋に分けてザックに入れます。イスカのウェザーテック スタッフバッグは、10Lサイズの防水・撥水の収納袋です(商品ページの記載)。フリースやダウンが収まる大きさか、手持ちの服で確かめてから選びます。

自力で下山できないときの費用

「ブルドーザーに乗せてもらって下山する」という話を聞くことがあります。富士登山オフィシャルサイトのFAQでブルドーザーに触れているのは、山小屋の販売商品を登山口から運ぶ場面だけで、登山者向けの有料下山サービスとしての案内はありません。

足を痛めるなど自力で歩けなくなったときの対応として、同じFAQは「自力で歩けない場合は、近くの山小屋に連絡するか、110番または119番に救助要請してください」と案内しています。公式に決まった料金表はなく、まず連絡する先が山小屋か警察・消防という形です。

ネット上には、物資運搬用のブルドーザーに同乗させてもらったという体験談もありますが、金額を公式に定めたものではなく、ここでは具体額を書きません。救助費用の自己負担については山で遭難したら救助費用は誰が払うかにまとめています。

まとめ

  • 4ルート共通で通行料・入山料4,000円。山小屋に泊まる人も払う
  • 午後2時から翌午前3時は入山できない(山小屋宿泊者を除く)。下山はいつでも可能
  • 入山登録は山小屋の予約とは別物
  • 山小屋は事前予約制。ルート別の一覧は富士登山オフィシャルサイトにある(吉田17軒・須走12軒・富士宮8軒・御殿場5軒)
  • 山小屋は男女相部屋で風呂なし・ゴミ箱なし。耳栓・アイマスク・ウェットタオル・ゴミ袋があると過ごしやすい
  • 山梨県側(吉田)は1日4,000人の上限あり。予約は任意だが、達すると予約なしでは通れない
  • 予約しても当日14時までにゲートを通過しないと規制の対象(山小屋宿泊者を除く)
  • 静岡県側はeラーニングの修了が要る。人数の上限はない
  • 入山時に装備を確認することがある
  • 午後2時からの規制は、実質的に弾丸登山を止める仕組み
  • トイレの使用料は1回100〜300円が目安(山小屋によっては200円、山頂300円の例あり)。チップ制なので小銭を用意する
  • ブルドーザーによる有料下山サービスは一次資料に記載が無い。自力で歩けないときは山小屋か110・119番へ連絡する

入山前の手続き全般は登山届の出し方に、国立公園のルールは国立公園でやってはいけないことにまとめました。

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