登山のスパッツ(ゲイター)選び。落ち葉と泥の季節に見る丈と素材

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注意:自然環境・気象・野生動物の状況は地域差と個体差が大きく、本記事の内容はあらゆる状況での安全を保証するものではありません。入山前に必ず該当自治体・管理団体の最新情報を確認してください。

紅葉が終わって落ち葉が登山道を覆うと、下に泥や水たまりが隠れていることがあります。踏んでから気づいて、靴の中までぬかるみが入り込む。落ち葉と一緒に小石や枝の破片も靴に入ってくる。朝露や霜で濡れた下草に裾がこすれて、ズボンの裾がじわじわ濡れていく。この季節に歩いていると、こうした小さな困りごとが重なります。

ゲイター(スパッツ)はこうした場面のための道具ですが、「雪山用の装備」というイメージが強く、この季節に要るのか、どれを買えばいいのか分かりにくいところがあります。「ショート」「ミドル」「ロング」「GORE-TEX」「ナイロン」と表記が揃わないまま並んでいると、基準を決めづらいです。

この記事でわかること

  • 丈の違いと、それぞれ何を防ぐためのものか
  • 素材の違いと、濡れる頻度との関係
  • 雪山用のアルパインゲイターとの違い
  • ゲイターで防げないこと

結論。丈は「何を防ぐか」、素材は「濡れる頻度」で決める

丈は、防ぎたいものの大きさで決めます。小石や落ち葉が中心ならショート、ぬかるみや広い水たまりをまたぐ場面が多いならロングです。

素材は、濡れる頻度で決めます。普段の登山ならウレタンコーティングのナイロンで足ります。雨やぬかるみに当たる機会が多いなら、ウェザーテックやGORE-TEXのような防水透湿素材を選ぶ場面になります。

落ち葉が散った細い登山道とトレイルの道標

この季節にゲイターが要る理由

落ち葉の下に泥や水たまりが隠れているのは、この季節によくあることです。踏んでから気づいて靴の中にぬかるみが入ると、靴下が濡れたままで足が冷えやすくなります。落ち葉と一緒に入ってくる小石や枝の破片も、靴紐の上にかぶせる形のゲイターで防げます。

ぬかるんだ登山道を歩く登山靴

朝露や霜で濡れた下草に裾がこすれ続けると、ズボンの裾がじわじわ濡れていきます。防水性のあるパンツでなくても、裾だけをゲイターで覆えばこの濡れは防げます。

丈で選ぶ。ショートとロー・ロングの違い

いずれも公式ページの記載です。

製品 丈 重量 メーカーの用途説明 価格を見る
イスカ ウェザーテック ショートスパッツ ショート(高さ22cm) 120g 夏の雪渓やガレ場などでの使用に最適な、少し長めのショートスパッツ 楽天Amazon
Outdoor Research Rocky Mountain Low Gaiter II ロー 165g ごつごつしたトレイル、岩場のスクランブル、ぬかるんだ横断向け 楽天Amazon
イスカ ウェザーテック ライトスパッツ ロング(高さ40cm) 150g 透湿防水素材ウェザーテックと耐久性のある素材を使用 楽天Amazon
イスカ ゴアテックス ライトスパッツ レギュラー ロング(高さ40cm) 150g 雨天時や積雪期、朝露やぬかるみからの汚れ防止にも効果的 楽天Amazon
THE NORTH FACE トレッカーズゲイター ロング — 足元の雨や泥を防ぎながら、ムレを効果的に排出するロングゲイター 楽天Amazon
Outdoor Research Rocky Mountain High Gaiter II ハイ 220g トレイルでの使用に適した水耐性と、さまざまなブーツに対応するフィット感 楽天Amazon

丈が短いものほど軽くなります。イスカはショート(高さ22cm)が120g、ロング(高さ40cm)が150g。Outdoor Researchも同じシリーズをロー(165g)とハイ(220g)の2段で出していて、丈の差がそのまま重さの差になっています。イスカのショートは「ガレ場」、ロングは「朝露やぬかるみ」と、メーカーの説明も丈で分かれています。

落ち葉の登山道を歩く登山靴

この季節はショートかローで足りる場面が多く、水たまりが続く区間ならロングを選ぶ理由が出てきます。ただし丈はあくまで「どこまでの高さを覆えるか」の話で、深い水たまりやくるぶしの高さを超えるぬかるみには、丈の長いゲイターでも上から浸水します。

流れのある岩場を登山靴で歩く足元

素材で選ぶ。コーティングと防水透湿素材の違い

素材は、大きく3系統に分かれます。

ナイロン+ウレタン(PU)コーティングは、THE NORTH FACEのトレッカーズゲイターとOutdoor Researchの2製品に使われている作り方です。生地に樹脂のコーティングを施して水を防ぐもので、丈夫さと防水性のバランスが取りやすい素材です。

メーカー独自の防水透湿素材は、イスカのウェザーテックです。イスカは「防水性、防風性、透湿性、結露防止性に優れた3層構造」と説明していて、ショートスパッツとライトスパッツ(ロング)の両方に使われています。

GORE-TEXは、イスカのゴアテックス ライトスパッツ レギュラーに使われています。防水性と透湿性を両立させる素材で、雨やぬかるみが続く場面に向きます。重さは同じ丈のウェザーテック ライトスパッツと同じ150gです。

どの素材を選んでも、ゲイターは靴の履き口を覆う装備です。靴そのものの防水性能を上げるものではなく、靴の生地やソールの縫い目から水が浸み込む場合は、ゲイターを着けていても靴の中は濡れます。

霧の針葉樹林の地面を覆う黄色い落ち葉

雪山用のアルパインゲイターは、この季節には要らない

雪の上でアイゼンを着けた登山靴

finetrackのエバーブレスアルパインゲイターは、アイゼンや岩と触れやすい下部を1000デニールの66ナイロンで補強し、フロントの面ファスナーはグローブをしたままでも着脱できる作りになっています。

この補強は、アイゼンの刃やスノーシューのバインディングが触れることを前提にしたものです。落ち葉と泥が中心のこの季節に選ぶと、重さと生地の厚みが過剰になり、蒸れやすさにもつながります。雪山用のゲイターは、雪山のために取っておくのが合理的です。

なお、前面や足首部分の面ファスナーやコードで留める構造は、泥や枝、岩に触れる機会が多い部位です。アルパインゲイターがこの部分を厚い生地で補強していることからも分かるように、長く使えば留め具の効きが落ちてくることは十分に考えられます。気になる場合は、使用後に泥を落としてから保管すると安心です。

まとめ

  • ゲイターの丈は「何を防ぐか」で決める。小石・落ち葉中心ならショート、ぬかるみ・水たまりが広いならロング
  • 素材は大きく3系統。ナイロン+ウレタンコーティング、メーカー独自の防水透湿素材(イスカのウェザーテック)、GORE-TEX
  • 丈が短いモデルほど軽い。イスカはショート120g・ロング150g、Outdoor Researchはロー165g・ハイ220g
  • 雪山用のアルパインゲイターは、アイゼン・スノーシューとの接触を想定した補強が入っている。落ち葉と泥の季節にはオーバースペック
  • ゲイターは靴自体の防水性能を上げない。深い水たまりやくるぶし以上のぬかるみは、丈に関わらず浸水する

靴のカットとの組み合わせは登山靴のカットで何が変わるのか、裾からの濡れを防ぐ考え方は登山用レインウェアの選び方も参考にしてください。パンツの裾を塞ぐ効果は、山でのマダニ対策でも触れています。

出典

画像クレジット

  • ゲイターを登山靴の上から着ける登山者(アイキャッチ): Adobe Stock #489672176
  • ぬかるんだ登山道を歩く登山靴: Adobe Stock #401831589
  • 落ち葉の登山道を歩く登山靴: Adobe Stock #144580879
  • 雪の上でアイゼンを着けた登山靴: Adobe Stock #499236786
  • 流れのある岩場を登山靴で歩く足元: Adobe Stock #185525252

Openverse(Flickr)から。

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