トレッキングポールの選び方。収納時の長さで決まる使い勝手

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注意:自然環境・気象・野生動物の状況は地域差と個体差が大きく、本記事の内容はあらゆる状況での安全を保証するものではありません。入山前に必ず該当自治体・管理団体の最新情報を確認してください。

トレッキングポールを比べるとき、多くの人が重量を見ます。しかし山で困るのは、しまったときにどれだけ短くなるかです。鎖場や梯子ではポールをしまう必要があり、そのときザックに収まらなければ、外に括りつけて藪や岩に引っかけることになります。

選ぶ基準は3つ

1. 収納時の長さ

方式によって、しまったときの長さが大きく違います。同じ125cmまで伸びるモデルでも、こうなります。

伸縮式と折りたたみ式を並べたところ

  • 伸縮式(ロングトレイル125): 収納時 59cm
  • 折りたたみ式(フォールダーTWIST 125): 収納時 37cm

22cmの差は、ザックの中に入るか外付けになるかを分ける差です。一般的な30〜40Lのザックだと、59cmは縦に入りません。

固定長のトレランポール14.0はさらに短く、100cm仕様で28cmです。

2. 素材はアルミかカーボンか

シナノのラインナップでは、伸縮式のロングトレイル125が超軽量アルミ(φ16/φ14/φ12)、折りたたみ式のフォールダーTWIST 125がカーボン(φ18+φ16+φ13.7)です。

重量は約241g/本と約219g/本。カーボンのほうが軽いものの、差は約22gにとどまります。片手22gは、行動中に体感できる差とは言いにくい。

素材選びで見るのは、むしろ性質のほうです。カーボンは縦方向の力に強い一方、横からの衝撃や岩の間に挟んでのこじりに弱いとされます。アルミは曲がることはあっても、いきなり折れにくい。岩場やゴーロが多い山域では、この違いは考慮に値します。

カーボンとアルミのシャフトを並べたところ

3. 長さの調節方式

  • レバーロック(ロングトレイル125): 見た目で締まり具合が分かり、手袋のままでも扱いやすい
  • ツイストロック(フォールダーTWIST): 引いてねじるだけ。突起が少なく引っかかりにくい
  • 固定長(トレランポール14.0): 調節できない代わりに軽く、構造が単純

固定長は「自分の身長に合う一本」を選ぶ前提です。トレランポール14.0は100/105/110/115/120cmの5サイズ展開で、購入時にサイズを決める必要があります。

レバーロックを操作する手元

比較表

いずれも公式ページの記載です。

製品 方式 素材 使用時の長さ 収納時 重量
ロングトレイル125 伸縮式(レバーロック) 超軽量アルミ(φ16/φ14/φ12) 100〜125cm 59cm 約241g/本
フォールダーTWIST 125 折りたたみ式(レバー固定式で長さ調節) カーボン(φ18+φ16+φ13.7) 110〜125cm 37cm 約219g/本
トレランポール14.0 固定長(コードを引くだけの組み立て) 超軽量アルミ(φ14) 100/105/110/115/120cm 100cm時28cm 〜 120cm時33cm 100cm時 約175g/本 〜 120cm時 約195g/本

トレランポール14.0の重量は先ゴムを含まない値と明記されています。他社製品や他モデルと比べるときは、この条件の違いに注意してください。

1. ロングトレイル125(伸縮式・アルミ)

公式ページによると、超軽量アルミ製、約241g/本、使用時100〜125cm、収納時59cm、レバーロック式。

オススメのポイント

100cmまで縮められる調節幅が利点です。登りでは短く、下りでは長くという使い分けが、行動中に手早くできます。レバーロックは締まり具合が目視で分かるため、緩みに気づきやすい。アルミなので、岩に当てたときの不安も比較的小さい。

気になる点

収納時59cmは長いです。ザックの中には入らず、外付けが前提になります。鎖場の手前でしまう場面が多い山域では扱いにくく、外付けした状態で藪を漕ぐと引っかかります。

2. フォールダーTWIST 125(折りたたみ式・カーボン)

公式ページによると、カーボン製、約219g/本、使用時110〜125cm、収納時37cm。折りたたみ式で、長さ調節はレバー固定式です。

オススメのポイント

収納時37cmは、ザックの中や横のポケットに収まる長さです。鎖場や梯子でしまう、下山後に電車で移動する、といった場面が一気に楽になります。カーボンで最も軽い。

気になる点

使用時の長さが110〜125cmと調節幅が狭い。ロングトレイル125の100cmからに比べると、短くしたい場面での自由度が下がります。またカーボンは横方向の力に弱いため、岩の隙間に挟んだままこじる使い方は避けたいところです。

3. トレランポール14.0(固定長・アルミ)

公式ページによると、超軽量アルミφ14、100cmで約175g/本(先ゴム含まず)、収納時28cm。グリップ内のコードを引くだけで組み立てられます。

オススメのポイント

最も軽く、最も短くなります。 組み立てが速いので、必要な区間だけ出して、すぐしまうという使い方に向きます。トレイルランニング向けの製品ですが、軽量を優先する登山でも選択肢になります。

気になる点

長さを調節できません。 登りと下りで変えたい人には向かず、購入時に自分に合うサイズを決める必要があります。5サイズあるので、必ず身長と使い方に合わせて選んでください。

UL では Z 折りのカーボンが定番

装備を軽くする人の間では、Z折り(3つに折って束ねる形)のカーボンがほぼ定番になっています。上のフォールダーTWISTと同じ考え方で、収納したときに短く、ザックの横やベストの背中に挿しやすい形です。

海外メーカーのものは、この形の選択肢が多くあります。

伸縮できるタイプなら、登りと下りで長さを変えられます。折りたたみと伸縮を両立させた形です。

軽さと引き換えになるものも、はっきりしています。カーボンは縦の力には強い一方、横からの力に弱い。 岩の隙間に挿したまま体重を掛けると、その1回で折れます。石が多い山域でアルミが選ばれ続けているのは、この差があるからです。

用途別の選び方

  • 日帰り〜1泊、鎖場が少ない … 伸縮式で調節幅の広いものが扱いやすい
  • 鎖場・梯子が多い、電車移動が多い … 折りたたみ式。収納時の短さで選びます
  • 軽さを最優先、使う区間が限られる … 固定長
  • 岩場・ゴーロが多い山域 … アルミのほうが不安が少ない
  • 手袋を着けたまま操作する(残雪期など) … レバーロックが確実

よくある質問

1本と2本、どちらがいいですか

2本のほうが体重を分散できます。1本は片手が空く利点がありますが、バランスは非対称になります。

長さの目安は

一般に、平地でグリップを握ったとき肘が90度になる長さが基準とされます。登りでは短く、下りでは長くします。固定長を選ぶ場合はこの基準でサイズを決めてください。

カーボンとアルミ、どちらが折れやすいですか

カーボンは縦方向には強い一方、横からの力やこじりに弱いとされます。アルミは曲がることがあっても、突然折れる形にはなりにくい。山域と使い方で選んでください。

収納時の長さはどこを見ればいいですか

公式スペックに「収納時」として記載があります。ザックの高さと比べて、中に入るかどうかを買う前に確認してください。

まとめ

  • 収納時の長さが使い勝手を決める。伸縮式59cm、折りたたみ式37cm、固定長28cmと大差がつく
  • 素材の重量差は約22g。見るのは重さより横方向の力への強さ
  • レバーロックは目視で確認しやすく、手袋でも扱いやすい
  • 固定長は購入時にサイズを決める。5サイズから選ぶ
  • 鎖場や梯子ではしまう。しまえることが前提の道具

装備の数値の読み方という点では、レインウェアの選び方ヘッドランプの選び方でも同じ視点で書いています。

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