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注意:自然環境・気象・野生動物の状況は地域差と個体差が大きく、本記事の内容はあらゆる状況での安全を保証するものではありません。入山前に必ず該当自治体・管理団体の最新情報を確認してください。
登山靴は、使っていなくてもソールや接着部分の劣化が進むことがあります。久しぶりに履く靴も、山に入る前に状態を確認してください。
この記事でわかること
- 使わなくても劣化する理由
- 山行前に確認すること
- 帰宅後にやること
- 保管で気をつけること
- 手入れで直らないところ
使っていなくても剥がれる
モンベルの登山靴の選び方に、見落とされやすい一行があります。ソールは、使用していなくても経年劣化で剥がれることがある、というものです。
「使用していなくても」というのが要点です。年に一度しか山に行かない人ほど、ここに当たります。
ソールとアッパーを接着している素材は、時間とともに劣化します。湿気と温度で進み方が変わります。だから、押し入れの奥に3年入れていた靴は、3年ぶんの劣化を抱えたまま出てくることになります。

山行前に見るところ
1. ソールと本体の境目を見る。
全周をぐるりと確認します。わずかでも隙間が開いていたら、そこから広がります。
2. 靴をねじる。
両手でつま先とかかとを持ってねじってみてください。ミシミシと音がしたり、接着面に細かいひび割れが見えたら要注意です。
3. ソールを曲げる。
溝の底に細かいひびが入っていないか。
4. 紐と金具を見る。
紐は擦り切れやすい部分から切れます。ハトメが変形していないか。
紐は消耗品です。山で切れると締められなくなるので、傷んでいたら替えてしまうほうが確実です。長さは靴のハトメの数で変わるので、外した紐を測ってから選んでください。
これらは登山口ではなく家でやります。 登山口で気づいても代わりの靴はありません。
帰宅後にやること
公式ページは「帰宅後には登山靴の状態を確認し、こまめにメンテナンスを行いましょう」としています。基本の流れは次のとおりです。
泥を落とす。 乾いてからブラシで落とすほうが取れます。泥が付いたままだと、水分を抱え込んだ状態が続きます。

馬毛のブラシは毛が柔らかく、縫い目や革の表面を傷めにくいのが利点です。乾いた泥を払う用途にはこれで足ります。
インソールを抜く。 中は汗で濡れています。抜いておくと乾きが早くなります。交換用のインソールや靴紐は各社が販売しているので、穴が開いたら替えられます。
インソールは、へたると靴の中で足が動くようになります。同じ靴でも入れ替えると別物のように感じる部分です。
衝撃の吸収を優先するタイプがあります。硬いソールの靴で長時間歩くときに差が出ます。
足のアーチを支えて姿勢を整えるタイプもあります。下りで足裏が痛くなる人はこちらの考え方が合うことがあります。
どちらも元のインソールを抜いてから入れます。重ねると靴の中が狭くなり、かえって当たります。
紐を緩める。 締めたままだと形が崩れます。
陰干しする。 直射日光と高温は素材を痛めます。ストーブの前やドライヤーも同じです。
撥水剤は、靴と薬剤それぞれの使用方法を確認して使う。 乾いた状態で使う製品も、湿らせて使う製品もあります。表地の撥水が落ちると生地が水を吸い、内側の透湿が働かなくなります。ここはレインウェアと同じ理屈です。
革と布のどちらに使えるかは製品によって違います。自分の靴の素材に対応しているか確認してから使ってください。
濡れたとき
靴の中が濡れる原因は2つある、とモンベルは書いています。外から入る水と、自分の汗です。
つまり、雨に降られなくても中は濡れています。 だから晴れた日の山行でも、帰ったら乾かす対象になります。
乾かすときは、新聞紙を詰めて何度か替えるのが確実です。ただし詰めたまま忘れると、湿った紙が中に残るので、そこだけ注意してください。
保管
- 通気のある場所に置く。 密閉した箱や袋は避けます
- 湿気の多い場所を避ける。 押し入れの奥や床に直置きは、劣化を早めます
- たまに出して履く。 完全に放置するより、履いて歩いたほうが状態が分かります
手入れで直らないところ
ソールのすり減り。 溝が浅くなったグリップは戻りません。手入れの範囲外です。安全な歩行にはソールの滑りにくさが重要で、滑って転べばケガに、場所によっては滑落につながる。磨いても溝は戻らないので、ここは張り替えるしかありません。
接着の劣化。 進んでしまったものは手入れでは戻せません。張り替えの対象になります。公式は修理と交換パーツの案内ページを用意しています。
防水性の低下。 防水透湿素材の膜そのものが傷んだ場合、撥水剤では戻りません。
まとめ
- ソールは使用していなくても経年劣化で剥がれる
- 確認は山行前と帰宅後。特に山行前は入念に
- 見るのはソールと本体の境目・ねじったときの音・溝のひび・紐と金具
- 帰宅後は泥を落とす、インソールを抜く、紐を緩める、陰干し
- 濡れの原因には自分の汗もある。晴れでも乾かす
- 保管は通気のある場所。密閉と湿気を避ける
- すり減ったグリップと進んだ接着劣化は戻らない
靴の選び方は登山靴のカットに、雨具の手入れに関わる話は登山用レインウェアの選び方にまとめました。
出典
画像クレジット
Wikimedia Commons と Flickr から。
- 干してある登山靴(アイキャッチ): Old friends by Herbythyme(CC BY-SA 4.0)
- 登山靴: Hiking boots by Daniel Case(CC BY-SA 3.0)